NewsⅡ

 自宅時間の増加で、犬を飼い始めた人は多い。20年に新たに飼われた犬は前年比14%増の46万2千頭。伸び率は19年(6%増)から拡大した。

 これまでの研究で犬を飼うメリットは3つ。1つは身体的効果。散歩で運動量が増え血圧やコレステロールが下がりやすい。スウェーデンの大学調査では、犬を飼うと心臓病のリスクが下がり長生き傾向にあるという。2つ目は心理的効果で、犬と触れ合うと人間の脳内では幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」が分泌される。精神を安定させ、身体の痛みを和らげる働きがある。3つめに社会的な効果が期待される。犬の飼い主は「友好的」「責任感が強い」といったイメージを持たれやすい。米国のバイデン大統領は2匹のジャーマンシェパードを飼う愛犬家で、20年の大統領選では「トランプは過去100年以上で初めて犬を飼っていない大統領だ」と批判するビデオを作った。

​ また、犬は飼い主の生きる世界を広げてくれる存在でもある。一人の散歩ではめったにないが、犬連れだと人が立ち止まり、そこに会話が生まれる。そして、このインターネット時代には犬が人と人をつなげるパワーを増している。20年5月、犬を飼い始めた日にツイッターのアカウントを立ち上げると、今では5万人以上がアカウントをフォローするほど。競技大会では、人間が出した「飛べ、止まれ」などの指示に対する犬の反応を競うのだが、問われているのは犬の動きだけではなく、犬と人間の信頼関係だ。​                       ー2021.6.6 日本経済新聞ー